ライセンス問題

フィリピンは海賊版天国だ。

学校といえども例外ではない。配属先の大学のうち、自分が通っているキャンパスだけでも50台のWindowsマシンがあるのだが、例外なく全て海賊版だ。

赴任当初は、この事実にただただ呆れて、ちゃんとライセンスを買った方がいいよーと、チクチク突いていたのだが、最近はそーも強く言えなくなってきた。なぜかと言うと、Windowsのライセンスを正規に買おうとすると約300ドル(約3万円)なのに対して、うちの大学の先生の平均月収は12,000ペソ(約2万2000円)なのだ。つまり、Windowsライセンスは、先生一人の月収とあまり変わらない値段の代物なので、そう簡単に手が出せるものではないのだ。

しかも、うちの大学のITに対する年予算は100万ペソ(約200万円)である。うちのキャンパスにある50台のクライアント全てについてライセンスを買おうとした場合、単純計算で1万5000ドル(約150万円)になり、なんと年予算の4分の3もの額を費やさなければならなくなる。この予算は、大学全体でのものなので、うち以外の4キャンパスにあるクライアント全てのライセンスを購入するとなると、とてもじゃないが予算が足りない。

かと言って、全面的にLinuxに移行すればいいじゃないかというような、簡単な話にはならない。大学の授業の中には、MSOfficeの使い方を教えている科目があるし、VisualBasic6.0などもバリバリ活躍しているからだ。

典型的な、「お金があればすぐに解決出来る」型の問題なだけに、対処が難しい。。。