船欠航

週末ということで、ミンドロ島のプエルトガレラに出かけることにした。

ミンドロ島は、ルソン島のすぐ南に位置する島で、綺麗なホワイトサンドビーチとダイビングスポットがあることで知られている。マニラからも程近いので、週末に1泊2日で出かけるには、とてもお手ごろな観光地なのだ。

今朝は気合を入れて5時には家を出発し、トライシクル・ジプニー・バスを乗り継ぎながら、予定通り7時過ぎにはミンドロ島へのフェリー港があるバタンガスに到着することが出来た。が、そこで思いもよらぬ不運が我々を待ち受けていた。なんと、台風が近づいてきていたのだ。しかも、フィリピン気象庁(PAGASA)暴風警報シグナルのランクで言うと、「シグナル3」というかなり大型の台風がルソン島を襲おうとしていたのだ。当然のことながら、フェリーは全便欠航。港は、行き場をなくした旅客で溢れかえっている。

しかーし、そこでもたくましく商売をするフィリピン人を発見。いかにも胡散臭いおっちゃんが、港で呆然としている我々にそっと近づいてきて、「船、乗りたいんだろ?」と思わせぶりなセリフを吐いてくる。そりゃー乗りたいけど、台風でしょ?乗れるわけないじゃん。と思っていたら、「俺、船持ってるんだよ。」とニヤリ。このおっさん、自分のバンカーボートで、我々をミンドロ島までご案内してくれるつもりらしい。

もし天候もよく、船に乗れない理由が、満席とかなら、値段交渉をして乗船したかもしれない。しかしだ、今台風来てるんだよ、おっちゃん。シグナル3だよ、シグナル3、おっちゃんのボート木っ端微塵だよ。それどころか、我々の命はどうしてくれるんだい。おっちゃんにも家族がいるんだろ?こんな天候で無理して船出さなくても・・・。稼ぎたいのは分かるけど。。。と、最後にはちょっと同情に似た気持ちまでもが生まれてきてしまった。いやいや、フィリピン人の文字通り「命をかけた」商魂には恐れいった。。。