フィリピン初ラグビー

フィリピンで初めてラグビーをやってきた。

フィリピンではラグビーの認知度が恐ろしく低い。赴任当初、同僚に「Rugbyをやってた」と言っても全く通じないので、俺の「R」の発音が悪いのかなぁと思っていたのだが、何のことはない、ラグビーそのものを知らなかったのだ。楕円形のボールを使うスポーツだよ、と言ったら、「あぁ、アメフトね」というレベルである。最近では、フィリピンでラグビーするなんてことは不可能だろうなぁと、半ば諦めていた。

しかし先日、JICAの職員の方から「ラグビーしませんか?」というお誘いがあり、「え!?フィリピンにチームがあるんですか?」と耳を疑ってしまった。で、彼に連れられ半信半疑でグランドに行ってみると、なんと本当にラグビーやってるじゃないか!

Nomadsという名前のこのクラブチーム、主要メンバーはほとんどヨーロッパ人。一番多いのがフランス人で、続いてイングランド、オーストラリア、ニュージーランドなど、ラグビー強豪国が名を連ねる。年齢層は、高校生からおなかの飛び出た40代のおじさんまで色々だ。

で、肝心の練習はどうだったかというと、「かなり本格的な部活」だった。まず、色々な動きを加えながらグラウンドを2周走る。そして輪になって入念なストレッチを行うのだが、その際に腕立てやら腹筋やらを沢山やらされる。準備運動の時点でかなりバテ気味の私を気にすることなく、コーチの笛によって分単位のメニューが次々と消化されていく。

メインの練習はタッチフットなのだが、フルコートを使って、1セット15分×3回をみっちり行うので、正直言って楽ではない。しかもお遊びのタッチフットではなく、ゴール前5mルールやオフサイドなどが厳格に適用され、反則があるとコーチに笛で止められる。

タッチフットが終わった時点でかなりバテ気味だったのだが、それで練習は終わりではなかった。シャトルランやらダッシュやら、疲れた体に基本トレーニングが追い討ちをかけてくる。練習が終わったころにはすっかり日が沈み、泥のようにグラウンドに寝そべってしばらく動けなかった。

しかし、久しぶりに楕円形のボールを持てて、すげー楽しかった。弧のようにバックスラインを描く感じや、阿吽の呼吸でクロスを決める瞬間なんかは、涙が出そうなほど気持ちよかった。欧米のラグビーではサインプレーなどはほとんど無いので、すべてフィーリングでやるしかない。それだけに、そのフィーリングが一致して相手のディフェンスラインの隙を抜けたときには、思わず互いにハイタッチをしてしまう。この感触を再び味わえただけでも、かなりよかった。

Nomads Rugby
http://www.nomadsrugby.com/
Manila 10s Rugby Festival
http://www.manila10s.com/main.php

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