人間が失った「予知能力」

人体埋め込み用IDチップ、救急治療室やクラブに進出 [CNET Japan]

ハーバード大学医学部(Harvard Medical School:HMS)は21日(米国時間)、最高情報責任者のJohn Halamka博士が2004年12月に、VeriChipという人体埋め込み型IDチップを自らの体内に埋め込んだと発表した。

先日、ペット用埋め込みチップの日本での本格販売開始が話題になったが、今度はとうとう人体への埋め込みが本格化してきたという話。

現在、人体埋め込み型IDチップの用途として考えられているのは、性犯罪者の再犯防止、誘拐・迷子対策、血液型などの医療情報の保存、クレジット決済によるキャッシュレス社会の実現、などだ。

人間の生活を便利にする「IT」という仕事に関わってきた自分は、たいていの技術躍進には肯定的な立場でいたつもりだ。しかし、この類の技術(クローンや遺伝子組換え食品など)については、なんだか違和感を覚える。

それは私が第六感で、本能的に「犯してはいけない領域」だと感じているからなのだろう。理屈や理論ではない。ヨハネの黙示録ではないが、なんだかこの技術が広まることで、世の中が破滅の方向に向かって行くような感じがするのだ。もしかすると、この動物的感覚は、スマトラ島地震で多くの人間が被害にあったのと対照的に、野生動物は全く被害を受けなかったことと関係があるのかもしれない。

つまり、人間を含む動物には、未来の危険を察知する予知能力が備わっているという前提に立つと、今私が感じている未来への不安は、近い将来訪れるかもしれない、人間社会の破滅を意図しているのだろう。そして、他の動物達と比べて、人間はその感覚が大きく鈍っているのではないだろうかと考えることが出来る。多くの人間は、その動物的感覚が鈍っているから、未来の危険が察知できずに、目先の利益や便利、快楽ばかりを求めてしまう。

このことと関連する最近のニュースとしては、つい先日、UNICEFの次期事務局長に、ブッシュ政権で農務省長官を務めたアン・べネマン氏の就任が決まった一件があげられる。彼女は、世界最大の遺伝子組換え作物メーカーである、モンサント社系列の元役員だ。世界中で問題となっている貧困・飢餓問題を解決する手段として、「遺伝子組換え食品の推進」という政策を打ち出してきたとしたら、これもまた私の第六感が違和感を訴えることだろう。

Jan 25, 2005 追記
What's New & Occasional Diaryベネマン前米国農務長官がユニセフ事務局長に!?というエントリーで、遺伝子組み換え食品をめぐる、先進国の思惑と途上国の実態について、興味深い考察がされています。是非一読して見て下さい。


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