メトロ・マニラ(マニラ首都圏)観光

今日は久しぶりの週末ということもあって、メトロ・マニラ内の観光に出かけた。

といっても、メトロ・マニラ内で「観光」といえるスポットは限られて、有名なところとしては、サンチャゴ要塞(Fort Santiago)やマニラ大聖堂(Manila Cathedral)などである。これらは、イントラムロス(INTRAMUROS)と呼ばれる、16世紀のスペイン統治時代に築かれた城塞都市内に固まっており、丸一日あれば全てが観てまわれる規模だ。

イントラムロスに入ってすぐのところに、サン・オウガスチン教会(San Agustin Church)というフィリピン石造建築の中で最古といわれる教会がある。私が行ったときには、たまたま結婚式を挙げている最中で、日本の教会とは一味違う挙式風景に時間を忘れて見入ってしまった。男性の参列者は、フィリピンでの正装としてよく使用される「バロン」という服を着用し、また女性は艶やかなドレスを身にまとっていた。神父の口から語られる言葉は、英語とタガログ語の混在した不思議な音感で、なんとも荘厳な空気を演出していた。

その後に行ったマニラ大聖堂でも結婚式が行われている様子だったが、こちらは要人の結婚式だったらしく、厳戒な警備体制が敷かれ、一般観光客はあまりうろちょろできなかったので、聖堂内をゆっくり観ることが出来なかったのが残念である。

イントラムロスを徒歩にて北上していくと、最後に辿り着くのがサンチャゴ要塞である。この要塞は、スペイン統治時代に戦略上最も重要な役割を果たした場所である。また、第二次世界大戦中に日本軍が捕虜の収容所として使用したことでも知られている。サンチャゴ要塞内にはいくつもの地下牢があり、そこはパッシグ川と地下通路を介して繋がっている。つまりは、大雨などで川の水位が上昇したときには、事実上捕虜たちが溺死させられるという、なんとも無残な構造をとっているのである。

日本とフィリピンとは様々なフェーズで関わりを深としている。これは良くも悪くも私たちのこれからの活動に影響を与えること必須である。無知な状態で安易に過去に触れることは、フィリピン人との間に複雑な空気を作り出してしまう。事実を熟知した上で話し合う姿勢が必要だと、再認識した日であった。