Google ブック検索

以前こちらで取り上げた Google の Print Library Project に関連したサービス、「Googleブック検索」が日本で本格的に動き出した。

blog-photo-20060513.gifこのサービスは、2004年にアメリカで開始された「Google Book Search」の日本語版である。先日、国内での年内サービス提供開始を目指して、出版社向けのパートナープログラムが開始された。

以前のエントリーでも触れたとおり、Google Book Search の事業化に関しては、図書館の蔵書を登録する「図書館プロジェクト」に対して、アメリカの作家や著作権業界から激しい非難の声があがっているが、国内では今のところ出版社からの蔵書提供のみに絞っていくとのこと。

Google ブック検索の概要については以下の通り。

Google ブック検索では、キーワード検索によって、そのキーワードを本文中に含む書籍のリストが表示される。リストをクリックするとグーグルがスキャンした書籍の本文ページを読むことができる。本文ページを表示するにはGoogle アカウントが必要。ユーザーが読むことができるのはキーワードを含むページと、その前後2ページ。キーワードを変更することで、別のページを表示させることはできるが、単一書籍で同一ユーザーが読むことができるのは、月に書籍全体の20〜30%(出版社が指定可能)程度に限定される。
検索した結果得られたスキャン画像を閲覧するにはアカウント登録が必要だという点が、これまでの検索エンジンとは少々異なる。まぁ、閲覧量に制限を設けたり、書籍購入へのスムーズなインセンティブを促すには、あらかじめログインした状態のほうが何かと好都合なのだろう。

また、

書籍の本文表示ページにはオンライン書店や出版社の販売サイトへのリンクが表示される。Google ローカルへのリンクも設定され、その書籍を購入できる書店を見つけることができる。
ということで、自社の提供するサービスをマッシュアップしまくって、相乗効果も狙っている模様。

Google Maps から始まり、Google Book SearchGoogle Base Project などの、ある種のおぞましさを持った巨大なサービスが次々にリリースされており、それぞれのサービスは、地図業界、著作権業界、eBayなどのネットオークション業界を見事に凌駕し始めている。一見無秩序に思える様々なサービス群も、実は綿密に計算されつくした Google の描く未来像へと一直線につながっていることは確かだ。既存の商慣習をぶち壊しながら進んでいく Google を見ていると、彼らは社会秩序を再構築しようとしているのではないかという錯覚に陥ってしまう。



Google Print Library Project と著作権問題 - Proust Cafe
http://www.proustcafe.com/archives/2005/09/google_print_li.html
Google Baseの与えるインパクト - Proust Cafe
http://www.proustcafe.com/archives/2005/10/google_base.html

Google ブック検索」年内開始へ、書籍の一部を試読可能 − @IT
http://www.atmarkit.co.jp/news/200605/12/google.html
グーグル、日本でも書籍全文検索サービス提供へ - ITmedia News
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0605/11/news103.html
グーグル、国内で書籍の全文検索サービスを年内にも開始 - ITpro
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060511/237671/
グーグル、書籍検索を日本でも - asahi.com
http://www.asahi.com/business/update/0511/196.html

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