地滑り孤児の人身売買を警告

UNICEF warns against trafficking of Leyte landslide orphans [INQ7.net]

THE UNITED Nations children's agency urged on Monday the Philippine government and aid agencies to be on alert for child trafficking in a central province where a mudslide wiped out a village, leaving at least 40 minors orphaned.
地滑り災害のあったレイテ島で、人身売買のシンジケートが孤児達を狙って勧誘活動を行っているとのこと。場所は南レイテ州のギンサウゴン村にある、セントバーナード中央小学校やクリスト・レイ高校などの避難施設。

被災地では、約200人の児童が地滑りの被害を受け、そのうち40人近くが両親を失ったと報道されている。そして現地の NGO 組織である Visayan Forum の報告によると、地滑り発生後、既に25件の人身売買事件が確認されているとのこと。

南レイテ州は人身売買における悪名高き名所として知られ、取引された児童らは、売春、ポルノ、違法就労、偽装結婚、非合法の養子縁組などの各方面に売り飛ばされているという。今回の災害による孤児の大量発生は、人身売買シンジケートにとってこれ以上ない商機となってしまったのだ。

HumanTrafficking.org (アメリカのNGO組織 Academy for Educational Development の運営するWebサイト) によると、OFWs (Overseas Filipino Workers) と呼ばれる海外就労者は740万人にも上り、そのうち人身売買の被害者とみられる違法就労者は162万人だとしている。フィリピン政府がこのような現実を把握しながらも、シンジケートの取り締まりや法整備に本腰をいれられないのは、 OFWs の労働がフィリピンの外貨収入を下支えしているという現実があるからだ。

一昨年の人権支援報告の発表に端を発した興行ビザ発給制限問題も、まだまだ解が見出せていない状況だ。ただ「倫理的に間違ってる」というだけで解決できる問題であれば、とっくの昔に答えは出ているはずである。しかしそこには、低迷するフィリピン経済と、それに手を差し伸べるかの如く近づいてきては搾取を重ねるハイエナのような先進諸国との、複雑な政治的問題が絡んでいる。

日本のメディアでは、レイテの地滑りもクーデターも既に過去の出来事のように扱われているが、現実には問題が快方に向かっているわけではなく泥沼化の様相を呈しているという点を忘れてはならない。そして、今回のような人身売買の問題には、日本という国が大きく関与しているという現実も。

Human Trafficking: Philippines
http://www.humantrafficking.org/countries/eap/philippines/
Human trafficking syndicates preying on landslide orphans - INQ7.net
http://news.inq7.net/nation/index.php?index=1&story_id=67249
UNICEF warns against trafficking of Leyte landslide orphans - INQ7.net
http://news.inq7.net/breaking/index.php?index=2&story_id=67726
人身売買・搾取的移住の撤廃に関する活動 - IMADR
http://www.imadr.org/japan/project/trafficking/WebPageItem6(usefullinks)_J%5B1%5D.htm.htm

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