吉行淳之介

松岡正剛の千夜千冊での吉行淳之介評を読んでみた。

それで吉行淳之介訪問はどうだったかというと、作家は山の上ホテルの広い和室に陣取って、いっぱいの本と原稿用紙に囲まれていた。終始タバコを口にし、糊のついた着流しで立て膝をつき、座ったまま、「やあ、君が松岡君か」と男さえぞくっとする白夜のような微笑を送ってきた。
その傍らにはいつもごろっとなれる低いベッドがおいてあり、それがなんとも「何かの直後」を想わせて、なまめかしい。ともかく美しい。眼が涼しい。男に対してもその妖しい色気を隠さない。それを楽しんでいる。

男性にすらこういう印象を与えるところがイイよねぇ。

 その作家の会話というのが、ほとんどすべてが「近頃の女子学生の性風俗」についてのもの、しかも学生生活の乱脈やセックス隠語を問うものばかりで、ぼくはその筋にまったく疎かったため、ついには呆れた作家に「君ねえ、いったいなんのために大学に行ってるの?」と詰られた。なにしろバーの女の子との接触について「桃尻三年、乳八年」という有名な諺をつくったほどの達人。青二才のぼくが何を聞いたところで、話にならなかったろう。
こういうところもイイよねぇ。近年は吉行淳之介渡辺淳一を同等扱いする書評がちらほら見られるのだが、それはちょっと違う気がする。なんかこう、もっと謎めいた色気があるんだな。(会ったことないけど。。。)

それにしても最近の松岡正剛は、インターネット関連の知識までもがプロ並になってきて、ますます知識の超人と化している。先日もダン・ギルモアについての書評を書いてたが、その考察がロングテイル論から始まり、RSS、メディアジャーナリズム論なんて話しにまで飛んでて、ますます「彼の専門は何なんだ?」という疑問が深まるばかり。

松岡正剛の千夜千冊『原色の街・驟雨』
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0551.html
松岡正剛のにっぽんXYZ
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