ブログ考(2) - 読者という存在

ブログは通常の日記と違い、ディスプレイの向こうに読者が存在する。

もちろん私もブログを書く上で読者の存在は意識しているが、読者の需要に応えようなんて気持ちはあまり持っていない。ある読者がフィリピンに関する情報をすごく期待していたとしても、そのことばかりを書く気にはなれないし、またある読者がITトレンドの情報を知りたがっていたとしても、それならもっといいブログが沢山あるのでご紹介しますという感じだ。

しかし、そんな気楽なことを言っていられるのは、このブログが一日5000PV程度のアクセス数で済んでいるからだ。もしこのブログが、一日10万PVを超えるようなアクセス数を持つことになれば、私も書くことを取捨選択せざるを得なくなるだろう。

現に、莫大なアクセス数を誇るアルファブロガーたちのブログは、インターネット上で大きな影響力を持っているが故に、慎重且つ正確な情報の記述が求められる。なぜなら、彼等のブログが社会・金・世論へと与える影響は計り知れないからだ。一般的に、一日何万人という人がある特定の情報を得るために自分のブログにアクセスしていると分かれば、自ずとそれに応えていこうと考えるのが人情というものだ。その為、彼等が日常的に感じているプレッシャーは凄まじいものであろうということは、容易に想像がつく。

私は、自分のブログのアクセス数をバカみたいに増やしたいとは思っていない。なぜなら、読者の無言の圧力によって、自分の書きたいことが書けなくなってしまっては、もはや私はブログを楽しいものだとは思わなくなってしまうからだ。先日のエントリーでも書いたが、義務感でやっていることというのは、往々にして続かない傾向がある。もし私がこのブログで、毎日フィリピンニュースの分析を正確に行うという使命を負っていたとしたら、ブログを書くのが苦痛でしょうがないだろう。

とは言うものの、誰も読んでくれていなかったら、それはそれで寂しすぎる。なので、適度な数の理解ある読者がいれば、ブログを続けるにあたっては充分すぎるくらいの活力源となりうるのだ。幸いProust Cafeにも何人かの「固定客」が存在するし、とてもありがたいことだと思っている。

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