Technoratiの注目キーワードTop10
Technoratiには、今ブログ界で最も注目されているキーワードTop10を表示する機能がある。
これはアメリカ本家のTechnoratiにも日本のTechnoratiにも共通して設置してある機能なのだが、両者の内容を見比べてみると、アメリカと日本でのブログに対する意識の違いが一目瞭然となり、色々と考えさせられる。
例えば、現時点(2005年10月4日PM8時)の注目キーワードTop10を比較してみよう。
Technorati(本家) | Technorati(日本) | |
1 | Harriet Miers |
及川政治 |
2 | Leo Laporte |
エアロバキバキ川野 |
3 | Miers |
ホワイトバンド 詐欺 |
4 | Web 2.0 |
のまネコ |
5 | Google Sun |
平成電電 |
6 | Tom Delay |
天保十二年 |
7 | Serenity |
Google Blog |
8 | Ning | ラリージャパン |
9 | Maureen Dowd |
堂本剛 |
10 | David Brooks | 国勢調査 |
本家で1位と3位になっているキーワード「Harriet Miers」は、元ブッシュ大統領の法律顧問で、先日連邦最高裁判事に指名された人物の名前だ。そして2位の「Leo Laporte」は、アメリカで技術系のテレビキャスターとして有名な人物の名前。また4位の「Web 2.0」は先日このブログでも取り上げた次世代Webのこと。そして5位は先日業務提携が噂されたGoogleとSun Microsystemsのニュースについてだ。本家の注目キーワードについては、ざっとこんな感じ。
そして日本のTechnoratiを見てみよう。1位の「及川政治」、2位の「エアロバキバキ川野」、そして4位の「のまネコ」は、いずれも2chで「祭り」に晒されている人物、事件について。3位のホワイトバンド詐欺は、そのままだが、ホワイトバンドを巡る詐欺事件のことだ。そして5位になって、やっとITニュースがらみのキーワードが出現し始める。
結論として何が言いたいかというと、やはりアメリカと比べて日本の市民ジャーナリズムはまだまだ未熟だということだ。市民ジャーナリズムのツールであるところのBlogが、本来的な使われ方をされているアメリカでは、結果として上述のようなキーワードが上位に上がってくる。しかし、おもしろおかしいことを集めてBlogへの来訪者を増やし、アフェリエイトで稼ごうとするBlogが多い日本では、必然的に「ワイドショー」的な話題がトップにあがってくるのだ。
私は日本のブログが全てくだらないと言っているわけではない。Blogのそもそもの意味も分からずに使っている人が多いのも事実だが、そのことを素人のユーザに対して責め立ててもしょうがない。日本には日本なりの文化があり、Web周りの文化も独自に発展していってしかるべきだと思っている。Blogがただの日記ツールとして使われていても、それは個々人の自由である。
しかし、先日総選挙の際に「インターネット選挙の必要性」が声高に叫ばれていたが、考えてみると、現時点でそれをきちんと運用していけるだけのITリテラシーが日本人に備わっているとは到底思えないのだ。Webは使い方によっては非常に危険な武器になり、ネット上の発言により人を死に追いやるのも簡単なことだ(日本Technoratiの1位、2位、4位にランクインしている、所謂「祭り」の件では、言葉の暴力で追いやられた当事者が自殺する事態になってもおかしくないと、私は考えている)。もし、インターネットをジャーナリズムの武器として市民が行使したいというのであれば、それなりのリテラシー教育を徹底させるのが先決だろう。今の日本では、インターネット選挙は時期尚早なのかな・・・とも思えてきた。
Technorati
http://www.technorati.com/
Technorati Japan
http://technorati.jp/