フィリピン政局大詰め

カトリック教会、大統領に辞任求めず [NNA: Global Communities]

フィリピン・カトリック司教会議(CBCP)は10日、アロヨ大統領の辞任を求めないとの声明を発表した。人口の8割以上をカトリック教徒が占めるとされる当地では教会が政局に与える影響は大きく、その動向は注目を集めていた。ただ教会は、大統領の選挙違反疑惑の徹底調査を要求しており、また記者会見に臨んだ同会議の代表も、大統領に辞任を示唆している。
ここ最近、フィリピン政局が大きく揺れ動いている。選挙をめぐる疑惑などで辞任要求が出ているアロヨ大統領だが、今月8日に辞任しない意向を示し、更に経済を正常化させるために、数日以内に新内閣を組閣する方針を表明していた。

同じく8日には、マニラのマカティ市内で野党による大規模なデモが行われ、Ayara Ave.などの大動脈が一時封鎖されるという事態にまで陥った。同日、プリシマ財務相ら閣僚10人が一斉に辞職するなどの動きとも重なり、現地の報道でも一触即発でクーデターが起こる可能性を示唆していた。私もちょうどその時マカティにいたのだが、上空には多くのヘリコプターが行き交い、一時騒然とした空気となった。

今回のカトリック司教会議の判断は、辞任を求める声を無視するよう大統領に勧めるものではない。しかし、弾劾や疑惑の追及はこれからも続けていくとのこと。今後アロヨ大統領が辞任要求を受け入れなかった場合、国軍によるクーデターが現実のものとなる可能性は未だ残っており、予断を許さない情況がしばらく続きそうだ。

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