魚が泳ぐ温泉

今日はゆったり温泉に浸かってきた。

フィリピンは環太平洋造山帯に属し、今なお活火山が多く存在する為、温泉が湧き出ている場所が結構ある。私の任地であるラグナ州にも、温泉リゾートが至るところにあり、温泉好きの私にとってはウハウハな場所なのだ。

しかし、赴任してから約10ヶ月も経つのに、今まで一度も行ったことがなかった。というのも、地元のフィリピン人の話では、フィリピンの温泉は、日本でいう「温水プール」のようなもので、みんな水着を着てちゃぷちゃぷしているとのことだったので、ちょっと二の足を踏んでいたのだ。

今回、マニラの友達が「温泉に入りたい!」ということで、わざわざやってきたので、ホストとして案内することになった。そして行った先が、Laguna Hot Springという、そのまんまの名前の温泉。

写真の通り、浴槽(プール?)はよどんだ茶色で、一見すると男鹿温泉みたいな感じ。しかし、実際に入ってみると水は無色透明で、敷き詰められている石が茶色くなっているだけだった。この茶色の原因は、温泉の成分によるものなのか、コケが枯れたものなのか、はたまた掃除をしていないだけなのかは不明だが、とりあえず温泉っぽさはかもし出されている。

で、入浴後の感想。まず私を驚かせたのが、浴槽の中にティラピアという淡水魚が泳いでいたことだ。この時点でありえない。これらのティラピアは、排水溝を通じてラグナ湖から泳いで来たものらしく、決して飼っているわけではないそうだ。

そして水温。うーん、ぬるい。日本の健康ランドにあるジャグジーのお湯と水風呂の水を足して2で割ったくらいの温度。体の芯まで温まるには2〜3時間くらいかかりそうな勢いだ。

そして深さは腰くらい。これも微妙だ。立っていると疲れるし、かといって座ろうと思うと頭まで浸かってしまう。全身浸かろうと思うと、水中で半腰にならなければならず、罰ゲームで空気イスをやらされた気分になる。

フィリピンの温泉の総括として、「すべてが中途半端」という称号を与えよう。水温も中途半端、水深も中途半端、人間用なのかティラピア用なのかも中途半端。フィリピンで、「これぞ温泉!」っていうビシっとしたものを期待していたわけではないが、湯上りに牛乳を飲む気には到底なれなかった。まぁ、驚きの連続で楽しかったけど。。

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