お墓で人形劇

今日は1日で2つも人形劇公演をこなした。

午前中に行ったのが、パヤタスで活動するSALTというNGOの10周年記念式典の会場。式典のプログラムの中に、我々の人形劇を組み込んで頂き、公演をさせてもらった。

SALTは、ケソン市にあるパヤタスの巨大なゴミ捨て場で働く子供たちへの奨学金支援を目的に、1995年に設立されたNGOで、現在では女性の生活向上や栄養不良児の為のプログラムなども実施している。

午前の公演では、時間が30分程度しかなかったので、人形劇とマジックショーをしただけで終わったが、子供たちのみならず、大人の方々にも楽しんでいただけたみたいで、とてもいい公演になった。

そして午後は、North Cemeteryというフィリピン最大の墓地にて公演を行った。なんで墓地?と思われるかもしれないが、フィリピンでは墓の護衛を条件に墓場に住ましてもらっている人々が多く存在する。また、ストリートチルドレンも雨露を凌ぐために、屋根のあるお墓の建物の中に住んでいることが多いのだ。今回は、そこで活動するフランスのATD Fourth WorldというNGOの招待で公演が実現した。

最初この墓地に来たときには、墓の上で子供たちが遊んでいたり、墓地の中なのに洗濯物が干してあったりと、ずいぶんビックリしたものだ。しかし、いざ公演となる場所に案内されると、そこももちろんお墓の一角。スペースの関係上、墓の上に人形劇の舞台を設営せざるをえず、なんだか変な感じのまま公演が始まった。(写真の背景にあるのも、全部お墓。。。)

公演が始まるまでは、ワイワイがやがやと騒いでいた子供たちも、しんと静まりかえり、ものすごい集中力で舞台に食いついてくる。その目はみんなギラギラしていて、こちらが緊張を強いられるくらいだった。

公演が終わったら、最初はよそよそしかった子供たちも、すぐによってきて仲良くなれる。これは、いつも人形劇をやっていてよかったなぁと思う瞬間だ。ちょびっとだけ子供たちと距離が縮まった感触を味わえるからこそ、こっちももっと練習してがんばろうと思えるのだ。

SALT
http://salt2003.hp.infoseek.co.jp/
ATD Fourth World
http://www.atd-quartmonde.org/