真夏の卒業式

炎天下のなか、配属先の大学で卒業式が行われた。

お祝い事に対しては、尋常ではないエネルギーを費やすフィリピンである。前々からすごい騒ぎになるんだろうなぁとは予想していたが、実際の卒業式は私の想像を上回るものだった。

まず、大学への通学路。いつもは閑散としている道が、今日は装甲車で埋め尽くされている。「え、軍隊?」という感じだ。たかが卒業式(と言ったら、フィリピン人に怒られるが・・・)なのに、国軍まで出動してしまうとは、これからどんな騒ぎが始まるのかと、先が思いやられる。

人ごみを掻き分けて校内に入ると、今度はライフルを持った警察がうようよしている。「そこまで厳戒態勢を敷かなくても・・・」。しかし、入り口で卒業式のパンフレットをもらって読んでみると、この厳戒態勢の謎が解けた。どうやら今日の卒業式には、大学の理事をしている上院議員が来るみたい。どうりでこんなに厳重警備をしているわけだ。あぁ、よかった。また爆破予告でもあったのかと思ったじゃん。。

式自体は、まぁ普通に行われた。一人一人壇上に上がって、Certificateを受け取る。その後は、日本の卒業式みたいに、みんなでキャッキャ言いながら写真大会。変わっているのは、その後。日本だと、同じクラスのみんなと二次会に繰り出したりするのだが、フィリピンの学生はまっすぐ家に帰る。そして、家では親戚一同がご馳走を用意して待っているのだ。

自分も、仲のいい生徒の家にお呼ばれして昼飯を食いに行ってきた。普段は地方に住んでいる親戚たちも、この日ばかりは休みを取って集まってくる。そして昼間から食いまくり飲みまくりの大騒ぎだ。自分も、彼の家でRedHorseというビールの500ml入りビンを5本くらい飲んで、腹が張り裂けそうになって帰ってきた。

帰ってきたら帰ってきたで、お隣のサリーさんちの娘も今日が高校の卒業式だったらしく、お祝いムード満々。当然Emperador(ブランデー)を並々と注がれて強制的に参加させられる。ふと、昼間から飲みまくっている自分に気付き、「何してんだろう?」と我に返りそうになるが、すぐに「今日はお祝い事だから」と頭が切り替わる。思考のフィリピノ化進行中。。。