Holy Week(聖週間)

フィリピンの宗教行事の中でも、クリスマスと同じくらい重要視されているのが、復活祭(Easter)だ。

フィリピンのHoly Weekでは、Maundy Thursday(聖木曜日)とGood Friday(聖金曜日)が祝日となり、更に土曜日とEaster(復活祭)の日曜日が続くため、通常4連休となる。私の配属先でも、水曜日の午後から休みに入った。

今回のHoly Weekでは、お隣のサリーさんの実家に誘われてたのだが、それは来年にお預けして、一度みてみたいと思っていたパンパンガ州のサンフェルナンドで行われる、復活祭の行事に参加してきた。

復活祭の時期になると、フィリピン中からサンフェルナンドに人が集まってくる。その理由は、一部の熱心なキリスト教信者によるCrucifixion Ceremony(キリストの磔刑を再現する儀式)が行われるためである。

Good Fridayには、日頃の罪を購うために、裸足による巨大な十字架を担いでの巡礼や、背中をガラスで傷つけ、そこを更に竹の鞭で打ち付ける苦行が、街中の至るところで行われている。顔を黒い布で覆い、血だらけになった彼等を、子供たちが更に棒や鞭で痛めつける。最初この光景を見たときには、背筋が凍るような感覚を得た。街中は血なまぐさくなり、私の来ていたTシャツも、飛び血で赤く染まった。

そして昼過ぎになると、ゴルゴダの丘を再現した草原にて、磔刑が嘘偽りなく再現される。つまり、熱心な信者から選ばれたボランティア達が、次々と大きな釘で手と足を打ちぬかれ、十字架にはりつけられるのだ。

最初こそ、この狂信的とも取れる行為を受け入れることは難しかったが、祭りも終盤になってくると、慣れてきたというかなんというか、つまりは日本のお祭りと似ているなぁという感覚を覚えてきた。日本でも諏訪大社御柱祭りや、西大寺のはだか祭りなど、外国人が見たら受け入れがたいような祭りが数多く存在する。

もちろんフィリピンの復活祭では、国民の宗教的意識や文化が色濃く反映されており、日本人の感覚で言うところの祭りとは一線を画す存在であることは確かだ。しかし、祭りの最中に街中の人々が一体となり、陶酔状態に陥るという心理現象だけ見てみれば、日本のそれに近いものを感じた。

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