フィリピノタイム

フィリピンには、独特の時間の概念がある。

例えば、「集合時間には、5分以上遅れる」とか、「会議が9時開始予定だとしたら、実際の開始は10時」とか、「土曜日の12時に電話工事のアポを取ると、よくてその日の夕方、最悪来ないこともしばしば」・・・などなど。

これらは、実際に私も数え切れないほど経験しているし、他の日本人・外国人に聞いてもそうだ。そして、何よりも当のフィリピン人との会話でも、

比「あした何時集合だっけ?」
私「7時だよ」
比「じゃ、7時半くらいに行けばいいね」
私「はぁ?!」

まったく持って意味不明だ。7時だって言ってんじゃん!最近では私もこれが分かってきたので、7時に来て欲しい場合は、6時半に来てって言うようにしている。

このフィリピノタイムと関係あるのか無いのか分からないが、先週高校時代の友達が新婚旅行でフィリピンに来た時の話。初日は、マニラ到着後すぐにセブに飛ぶはずだったのだが、乗り継ぎがうまくいかずに飛行機に乗れなかったとのこと。どうやら、マニラに着いたときには、既にセブ行きの飛行機が離陸していた模様。国内線の乗り継ぎが悪いという話は良く聞くのだが、せっかくの新婚旅行でその被害をこうむってしまった彼等には、本当に申し訳なく思う(なぜかフィリピンサイドとして謝罪)

そういえば、本川 達雄のゾウの時間 ネズミの時間という本でも、動物のサイズが違うと機敏さが違い、寿命が違い、総じて時間の流れる速さが違ってくるという点を指摘している。同じ人間でも、日本人とフィリピン人とでは、文化や慣習や宗教など様々な環境が異なるが故に、時間の流れの速さも違うという現象が起きているのだろうか?

分単位で時間に追われる日本は、精神衛生上問題があるが、ここまでルーズなフィリピノタイムは経済発展上問題がある。どちらが良いというわけではない。バランスが大事なのだ。日本人はもう少し時間に対して寛容になるべきだし、フィリピン人はもう少し厳格になるべきなのだろう。