金で買う卒業制作

卒業制作(thesis)の提出時期が近づいてきた。

最近学校では、生徒達が先生と卒業制作の相談をしている光景がよくみられる。過去の卒業生の論文はどんなものかと思い、図書室でパラパラとながめてみた。

正直言って、彼等のITに関する知識や能力からすると、自力で書いたとは思えない文章(つまりは、種々の本からの引用)がほとんどで、そこから導き出される結論や展望といったものが書かれていないのが気になった。

IT学科では、卒業制作としてコンピュータプログラムを提出するのだが、それすらも自分で作ってないことがあるらしいのだ。聞いた話によると、500ペソ(約1000円)で、卒業制作用のプログラムを生徒の代わりに作ってくれる人物がいるとのこと。

うちの学生たちには、そんなものに頼って欲しくないと思うのだが、残念なことに毎年数名の学生がお金で卒業作品を買っているというのが現実だ。(もちろん裕福な家庭の学生だが)

IT学科を卒業しても、コンピュータ関連の仕事につく生徒はごく僅かだ。ほとんどの卒業生は地元のスーパーなどで働いている。そういった現実を鑑みると、本気でコンピュータの勉強をしても将来役にはたたないと思ってしまうのもしょうがないのかもしれない。いくら学校で教える技術のレベルが上がっても、就職に結びつかないことには、あまり意味がない。この一件、もう少し調査してみる必要がありそうだ。

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