ODAの是非

Japan extends P10-M aid for b’gay projects [Philstar.com]

Japan is extending P10 million in grants to fund grassroots projects in Ifugao, Laguna and Zamboanga City.

Japanese Ambassador Ryuichiro Yamazaki signed the contracts to fund the projects through the Grant Assistance for Grassroots Human Security Projects under his government’s official development assistance (ODA).

日本政府はこのほど、イフガオ州、ラグナ州、サンボアンガ市の草の根プロジェクトの無償資金協力を1,000万ペソに拡大したようだ。

草の根プロジェクトとは、 開発途上国の人々の生活改善・生計向上に直接役立つ分野で、草の根レベルのきめ細やかな活動が行われる事業のことで、定期的にJICAが選考を行っている。採用されたプロジェクトに対しては、無償資金援助(上限額有り)や人的支援が行われることになる。

これらは、JICAが行っている「市民参加型国際協力」の一環として、 日本のNGO・自治体・大学等が、これまでに培ってきた経験や技術を活かして、途上国への協力活動を企画し、JICAが支援するという形をとっている。

フィリピンで採用が内定している草の根協力事業の案件としては、アグロフォレストリーによる持続可能なエコシステムの構築(世界遺産フィリピン・イフガオ棚田の保全)や、ラグナ州カラワン町での農業技術支援事業有機肥料活用)などがある。

日本のODA予算は削減に次ぐ削減で、低水準が続いたままになっている。財務省は2005年度のODA予算を、当初の8168億円から4%程度減らす方針を固めた。この流れは、ODA予算の無駄遣いに対しての批判を受けてのものだが、外務省が主張するように、欧米諸国がODA予算を増強している中、日本だけ削減していくというのは、国連安保理入りを目指している日本にとって大きなマイナスになる。

政府が防衛費などの各分野で歳出改革を行っている中、ODAだけを特別扱いすることは出来ないというのは分かるが、もう少し「必要なところには使い、いらないところを削る」という基本的なことがしっかりできないのかなぁ、とも思う。(もちろんODAの中でも必要なものと無駄なものの切り分けは必要だと思うが)

そして、政府は日本国民に対して、ODAの必要性・意義・歳入出の詳細等を、もっと分かりやすい形でアピールすべきではないか。自分は現在協力隊員としてODAに関わっているので、ODAがどのようなものかは曲がりなりにも理解しているつもりである。しかし、学校教育の中でODAが何であるかを具体的に教えているだろうか?そして、税金を負担する国民は、自分の税金が海外でどのように使われているかを知っているのだろうか?

これらの問題は、「政府の説明不足」と「国民の無関心」という二重の悪が根源だと私は思う。どちらが悪いというのではない。どちらも悪いのだ。両者がもう少し、お互いを理解するように努めれば、もっとODAが価値を増すと思われる。

JICA 草の根協力事業
http://www.jica.go.jp/partner/index.html#project
外務省 ODA(政府開発援助)ホームページ
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/index.html