シュワルツェネッガー知事誕生

シュワルツェネッガーさんが加州の知事になった。

民主党のグレイ・デービス知事のリコールが成立して、後任の知事に共和党のシュワちゃんが選ばれたわけだが、色々思うところがある。

まずプラス面。一芸に秀でている人はやっぱりただものじゃない。これらの人々は、「今の自分に全力投球」型の人種だと思う。一般人は自分も含め、色々なことに手を出し、どれも極めきれないというパターンが多い。それに比べ一芸を極められる人は、想像を絶する集中力で目先の目標に向かって突っ走れるタイプだ。そういう視点からして、シュワちゃんは「知事」という役を見事に成し遂げるだろう。

そんで次にマイナス面。今回のシュワちゃんの当選は、明らかにメディアの力なしにはありえなかった。「テレビ」というメディアが登場してからずっとそうなのだろうが、選挙の際に直接候補者の振る舞いを見て、話を聞いて、自分の中で吟味してから投票するという人は皆無なのではないだろうか。日々、新聞やテレビや雑誌、そして最近ではインターネットで膨大な量の情報が巷にあふれている。全ての情報ソースに共通して言えることは、一度誰かの思考回路でフィルタリングされた情報だということだ。

シュワちゃんに対するイメージを答えよ、と聞かれたならば、多くの人が映画俳優としてのシュワちゃんを想像して、「強そう」とか「頼りがいがある」という回答をするだろう。映画に登場するシュワちゃんが、本物のシュワちゃんだと勘違いしている人はまさかいないだろうが、それに近い感覚で一票を投じたカリフォルニア州民は多いはずだ。

メディアが与えるイメージは、予想以上に強い影響力を持っている。我々にはそのイメージが本物かどうかを見極める術を覚えることが求められている。